【必読】AGA原因｜遺伝とDHTのメカニズムを図解でわかりやすく5分で

AGA（男性型脱毛症）の原因は一つではなく、遺伝的な要因と男性ホルモンの働きが複雑に絡み合って起こります。

この記事では、薄毛の直接的な引き金となるDHT（ジヒドロテストステロン）が作られるメカニズムから、進行を早める生活習慣、自宅でできる対策、専門的な治療法までをわかりやすく解説します。

父親が薄毛だと、自分も遺伝で薄毛になるのかな…

遺伝は大きな要因ですが、正しい知識と対策で進行は抑えられます

AGAの2大原因「遺伝」と「男性ホルモン」の仕組み
薄毛の進行を早めるNGな生活習慣
自宅でできる進行度チェックと予防策
主な治療法と効果を実感するまでの期間

あなたの薄毛はなぜ？AGAの2大原因、遺伝と男性ホルモンのメカニズム
AGAの進行を早める生活習慣と頭皮環境
自宅で始めるAGAの進行度チェックと予防策
AGA治療の選択肢と専門クリニックの受診
まとめ

あなたの薄毛はなぜ？AGAの2大原因、遺伝と男性ホルモンのメカニズム

AGA（男性型脱毛症）がなぜ起こるのか、その根本的な原因は「遺伝」と「男性ホルモン」の2つに集約されます。

中でも、男性ホルモンが変化して作られるDHT（ジヒドロテストステロン）が、髪の毛の成長を妨げる直接的な引き金になります。

これら2つの原因がどのように絡み合い、薄毛を進行させるのか、その仕組みを一つずつ見ていきましょう。

悪玉男性ホルモンDHT（ジヒドロテストステロン）の発生

AGAの直接的な原因となるのは、ジヒドロテストステロン（DHT）という男性ホルモンです。

これは、もともと体内にあるテストステロンという男性ホルモンが、「5αリダクターゼ」という酵素と結びつくことで変換されて発生します。

この5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型の2種類が存在し、AGAに深く関わるのは特にⅡ型です。

Ⅱ型5αリダクターゼは、主に前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞に多く分布しているため、これらの部位から薄毛が進行しやすくなります。

男性ホルモンが原因なら、なぜ体毛は濃くなるのに髪は薄くなるの？

DHTは場所によって働きが異なり、頭髪の成長を抑制する一方で、体毛を濃くする性質があるからです。

テストステロンが変換されることで発生するDHTが、AGAのメカニズムにおける最初のステップです。

DHTによるヘアサイクルの乱れと髪のミニチュア化

髪の毛には、成長期・退行期・休止期という一連の周期があり、これをヘアサイクルと呼びます。

発生したDHTは毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体と結合し、髪の成長を抑制する信号を出して、このヘアサイクルを乱します。

健康な髪の成長期は通常2〜6年続きますが、DHTの影響を受けると数ヶ月から1年程度にまで短縮されます。

成長期が短くなると、髪の毛は太く長く成長する前に抜け落ちてしまうのです。

髪の毛が細くなってきた気がするんだけど、これもDHTのせい？

はい、成長期が短くなることで髪が太く長くなる前に抜けてしまい、細く短い髪（ミニチュア化）が増えるのが原因です。

DHTがヘアサイクルを乱し、髪の毛が十分に育たなくなる「ミニチュア化」を引き起こすことが、薄毛が目に見えて進行する理由です。

遺伝するアンドロゲン受容体の感受性

DHTが発生しても、すべての人が同じように薄毛になるわけではありません。

ここでもう一つの重要な要因となるのが遺伝です。

具体的には、DHTを受け取る「アンドロゲン受容体」の感受性の高さが遺伝によって決まります。

アンドロゲン受容体の感受性が高い人は、体内のDHT量が少なくても髪の成長を妨げる信号を強く受け取ってしまうため、AGAを発症しやすくなります。

この感受性を決める遺伝情報は、性別を決める染色体の一つであるX染色体上に存在しています。

つまり、DHTが多くなくても薄毛になる可能性があるってこと？

その通りです。DHTの量だけでなく、アンドロゲン受容体の感受性の高さがAGA発症の鍵を握ります。

遺伝によってアンドロゲン受容体の感受性が高くプログラムされていることが、DHTの影響を大きく受け、AGAを発症させる決定的な要因となります。

母方から受け継ぐ薄毛の確率

「薄毛は母方の家系から遺伝する」という話を聞いたことがあるかもしれません。

これは、アンドロゲン受容体の遺伝子がX染色体上に存在するため、母親からその遺伝情報を受け継ぐことに由来します。

男性の性染色体は母親からX染色体を、父親からY染色体を受け継いで構成されます。

そのため、母親の父親、つまり母方の祖父が薄毛の場合、その遺伝子を受け継いでいる確率が高まると考えられています。

じゃあ、父親が薄毛でも自分は大丈夫なこともある？

可能性はあります。ただし、AGAに関わる遺伝子は複数あるため、父方の影響が全くないわけではありません。

母方の祖父が薄毛であるかどうかは、自分のAGA発症リスクを考える上での一つの目安となります。

20代で始まる若ハゲとの関連性

AGAは中高年の悩みというイメージがあるかもしれませんが、早ければ思春期を過ぎた10代後半から発症し、20代で薄毛が進行するケースも少なくありません。

これが一般的に「若ハゲ」と呼ばれる状態です。

日本皮膚科学会が発行するガイドラインによると、日本人男性の約30%がAGAを発症し、そのうち20代では約10%、30代では20%と、若い世代でも多くの方が悩んでいます。

特に若くして発症する場合、遺伝的要因が強く影響していると考えられています。

最近抜け毛が増えたけど、まだ30代だから大丈夫だと思ってた…。

AGAは年齢に関わらず進行するため、気になった時点ですぐに対策を始めることが大切です。

20代での発症は珍しいことではなく、遺伝的な素質が強い場合は早期に症状が現れる傾向があります。

年齢を問わず、変化に気づいたら早めに行動を起こすことが重要です。

AGAの進行を早める生活習慣と頭皮環境

AGAの根本的な原因は遺伝や男性ホルモンですが、日々の生活習慣がその進行を大きく左右します。

AGAの進行を緩やかにするためには、まず自身の生活習慣を見直すことが重要な第一歩です。

生活習慣の乱れは、頭皮環境を悪化させ、髪の成長を妨げる要因となります。

項目	影響
ストレス	ホルモンバランスの乱れ、血行不良
睡眠不足	成長ホルモンの分泌低下、ヘアサイクルの乱れ
食事の偏り	髪に必要な栄養不足、頭皮環境の悪化
喫煙・飲酒	血行不良、髪の栄養素の消費
頭皮の張力	慢性的な炎症、血行不良

これらの要因は複合的に作用し、AGAの進行を早めることがあります。

AGA治療薬の効果を最大限に引き出すためにも、これから紹介する生活習慣の改善に取り組むことが大切です。

ストレスによるホルモンバランスの乱れ

ストレスは、AGAの進行を加速させる一因です。

過度なストレスを感じると、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、頭皮への血行不良を引き起こします。

ストレス状態が続くと、「コルチゾール」というストレスホルモンが過剰に分泌されます。

このホルモンは、男性ホルモンのバランスにも影響を及ぼし、結果としてAGAの引き金となるDHT（ジヒドロテストステロン）の働きを助長する可能性があります。

ストレスが原因でハゲるって本当？

ストレスは直接の原因ではありませんが、AGAの進行を加速させる要因になります

日常生活からストレスを完全になくすことは困難です。

しかし、運動や趣味など、自分に合った方法で定期的にストレスを発散し、心身のバランスを整えることが、頭皮環境を守ることにつながります。

睡眠不足がもたらす髪への影響

健康な髪の成長には、質の高い睡眠が欠かせません。

なぜなら、髪の成長を促す「成長ホルモン」は、主に睡眠中に分泌されるからです。

成長ホルモンの分泌は、特に入眠後3時間の深い眠りの間に最も活発になります。

睡眠時間が不足したり、眠りが浅かったりすると、成長ホルモンの分泌が不十分になり、髪の成長が妨げられ、ヘアサイクルが乱れてしまいます。

1日7時間程度の質の良い睡眠を確保することが、髪の健康を保つための目安です。

忙しい毎日の中でも意識的に睡眠時間を確保することは、髪を育てるための重要な時間となります。

食事の偏りと頭皮環境の悪化

髪の毛の約90%は、「ケラチン」というタンパク質で構成されています。

そのため、日々の食事で良質なタンパク質を十分に摂取することが、健康な髪の土台を作る上で不可欠です。

タンパク質をケラチンに再合成する過程では、ビタミンやミネラル、特に「亜鉛」が重要な役割を果たします。

これらが不足すると、いくらタンパク質を摂っても効率よく髪の毛を作ることができません。

逆に、脂っこい食事が多いと皮脂が過剰に分泌され、毛穴の詰まりや炎症を引き起こし、頭皮環境を悪化させます。

髪に良い食べ物って何？

タンパク質、亜鉛、ビタミンをバランス良く摂れる食事が大切です

肉、魚、大豆製品、緑黄色野菜、海藻類などをバランス良く食事に取り入れ、健康な髪が育つための栄養を内側から補給することが大切です。

血行不良を招く喫煙と過度な飲酒

喫煙は、AGAにとって大きなリスク要因の一つです。

タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、頭皮の毛細血管の血流を著しく悪化させます。

タバコを1本吸うと、血管の収縮が1時間近く続くといわれています。

この血行不良により、髪の成長に必要な栄養や酸素が毛根まで届きにくくなるのです。

また、過度な飲酒は、アルコールを分解する過程で髪の主成分であるアミノ酸や、その合成を助けるビタミンB群を大量に消費してしまいます。

健康な髪を維持するためには、禁煙を検討し、飲酒は適量を守ることが求められます。

新たな説、頭皮の張力と炎症

AGAの原因として、遺伝と男性ホルモンに加えて近年注目されているのが、「頭皮の張力」という物理的な要因です。

これは、頭皮が常に引っ張られた状態にあることが、薄毛を引き起こすという新しい考え方です。

帽子を長時間かぶる、髪を強く結ぶなどの習慣や、頭蓋骨の形状によって頭皮に慢性的な張力がかかると、局所的な炎症や血行不良が発生します。

この状態が続くと、毛包がダメージを受け、髪の毛が細くなる「ミニチュア化」が促進されるという仮説が提唱されています。

この説はまだ研究途上のものですが、頭皮マッサージなどで頭皮の緊張をほぐし、血行を促進することは、頭皮環境を健やかに保つ上で有効な手段といえるでしょう。

自宅で始めるAGAの進行度チェックと予防策

AGAの進行を食い止めるためには、まずご自身の頭皮の状態を正確に把握することが大切です。

専門的な診断を受ける前に、ご自宅でできるチェックや予防策から始めてみましょう。

ここでは、今日から実践できる具体的な方法を5つ紹介します。

これらのセルフケアは、AGAの進行を緩やかにする助けになります。

しかし、根本的な治療には専門医の診断が不可欠なので、変化を感じたら早めにクリニックを受診することをおすすめします。

生え際と頭頂部の状態を写真で記録

AGAの進行はゆっくり進むため、日々のわずかな変化には気づきにくいものです。

そのため、客観的な記録として写真を残すことが有効です。

月に一度、同じ場所・同じ照明・同じ角度で、生え際（M字部分）と頭頂部（つむじ周り）の写真を撮影してください。

スマートフォンで簡単にできます。

どう撮れば変化が分かりやすいですか？

髪をかき上げて地肌が見えるように撮影するのがポイントです。

数ヶ月分の写真を比較することで、薄毛の進行度合いを客観的に判断できます。

この記録は、クリニックで医師に相談する際の貴重な資料にもなります。

家族の薄毛歴を確認する重要性

AGAの発症には遺伝的要因が大きく関わっており、特に男性ホルモンに対するアンドロゲン受容体の感受性の高さが遺伝します。

ご自身の父親や祖父だけでなく、母方の祖父や叔父に薄毛の方がいるかどうかも確認しましょう。

アンドロゲン受容体遺伝子はX染色体上にあるため、母からの遺伝情報が影響することが知られています。

父が薄毛なので、自分も将来薄毛になるのは確定ですか？

遺伝はあくまでリスク要因の一つであり、必ず発症するわけではありません。

家族歴を把握しておくことで、ご自身のリスクを認識し、より早い段階から予防に取り組む意識を持つことにつながります。

髪の成長を促す食事と栄養素

髪の毛の約90%はケラチンというタンパク質でできています。

そのため、健康な髪を育てるには、バランスの取れた食事が欠かせません。

特に、髪の主成分となるタンパク質、ケラチンの合成を助ける亜鉛、頭皮環境を整えるビタミンB群は積極的に摂取したい栄養素です。

成人男性の場合、タンパク質は1日に体重1kgあたり1.0〜1.2gの摂取が推奨されます。

栄養素	主な働き	多く含まれる食品
タンパク質	髪の主成分ケラチンの材料	肉、魚、卵、大豆製品
亜鉛	ケラチンの合成を促進	牡蠣、レバー、牛肉
ビタミンB群	頭皮の新陳代謝を促進	豚肉、うなぎ、レバー
ビタミンE	血行促進、抗酸化作用	ナッツ類、アボカド

日々の食事でこれらの栄養素を十分に摂ることが理想ですが、難しい場合はサプリメントで補うことも一つの方法です。

ただし、特定の栄養素の摂りすぎには注意しましょう。

正しいシャンプー方法と頭皮マッサージ

毎日のシャンプーは、髪だけでなく頭皮の健康を保つために重要です。

目的は、頭皮の毛穴に詰まった余分な皮脂や汚れをしっかり落とすことにあります。

ゴシゴシ洗うのは頭皮を傷つける原因になります。

シャンプー前にお湯だけで髪と頭皮を十分にすすぐ「予洗い」を行うと、汚れの約7割が落ち、シャンプーの泡立ちも良くなります。

ぬるま湯（38℃程度）で予洗いする
シャンプーを手のひらで泡立て、髪ではなく頭皮につける
指の腹を使い、頭皮をマッサージするように優しく洗う
すすぎ残しがないよう、時間をかけてしっかり洗い流す

シャンプー中の頭皮マッサージは本当に効果がありますか？

頭皮の血行を促進し、髪に栄養を届きやすくする効果が期待できます。

洗浄力の強すぎるシャンプーや爪を立てて洗う行為は、頭皮環境を悪化させるため避けてください。

優しく丁寧なケアを心がけましょう。

質の高い睡眠を確保するための工夫

睡眠は、髪の成長に欠かせない成長ホルモンが最も多く分泌される時間帯です。

質の高い睡眠をとることは、日中に受けた頭皮のダメージを修復し、健康な髪を育てる上で不可欠です。

髪の成長のためには、毎日7時間程度のまとまった睡眠時間を確保することが望ましいとされています。

特に、眠り始めの深い睡眠（ノンレム睡眠）時に成長ホルモンは活発に分泌されます。

就寝前にスマートフォンやパソコンの画面を見ない
ぬるめのお風呂にゆっくり浸かってリラックスする
カフェインやアルコールの摂取は就寝の3〜4時間前までにする
寝室の照明を暗くし、静かな環境を整える

慢性的な睡眠不足は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増やし、ホルモンバランスの乱れを引き起こします。

これがAGAの進行を早める一因にもなるため、毎日の睡眠習慣を見直すことが予防につながります。

AGA治療の選択肢と専門クリニックの受診

AGAは進行性の脱毛症であるため、気になった時点で専門の医療機関に相談し、早期に対策を始めることが重要です。

治療には内服薬や外用薬など複数の選択肢があり、医師の診断のもとで自分に合った方法を選ぶ必要があります。

治療法	主な薬剤	作用
内服薬	フィナステリド、デュタステリド	5αリダクターゼを阻害しDHTの生成を抑制
外用薬	ミノキシジル	頭皮の血行を促進し毛母細胞を活性化

AGA治療は、皮膚科またはAGA専門クリニックで受けることが可能です。

それぞれの特徴を理解し、自身の状況に合わせて受診先を決めましょう。

皮膚科とAGA専門クリニックの役割の違い

皮膚科は皮膚疾患全般を扱う保険診療が中心であるのに対し、AGA専門クリニックはAGA治療に特化した自由診療を行っています。

一般的な皮膚科では、処方される薬がプロペシア（フィナステリド）など一部に限られることがあります。

一方でAGA専門クリニックでは、複数の内服薬や外用薬、さらにはメソセラピーやオリジナルの治療薬など、幅広い選択肢の中から治療法を検討できるのが特徴です。

項目	皮膚科	AGA専門クリニック
診療内容	皮膚疾患全般	AGA治療に特化
診療形態	保険診療が中心（AGAは自由診療）	自由診療が中心
治療の選択肢	限定的な場合がある	豊富（多様な薬剤、独自治療）
費用	比較的安価	比較的高価

最初はどっちに行けばいいの？

まずは診断を受けるために、通いやすい皮膚科から始めるのも一つの手です

まずは診断を受けることが第一歩です。

より専門的で多様な治療を望む場合は、AGA専門クリニックのカウンセリングを受けてみることをおすすめします。

医師による視診とマイクロスコープでの頭皮診断

クリニックでのAGA診断は、まず医師による問診と視診から始まります。

視診とは、医師が目で見て脱毛の範囲やパターン、頭皮の状態を確認する診察方法です。

さらに、多くの専門クリニックではマイクロスコープを用いた頭皮診断を行います。

頭皮を200倍以上に拡大して見ることで、1つの毛穴から生えている髪の本数や、細く短い毛（軟毛化）の割合などを客観的に把握し、AGAの進行度を正確に評価します。

診察ではどんなことをするんだろう？

問診と視診が基本で、必要に応じてマイクロスコープで詳細な状態を確認します

これらの診察結果に基づいて、AGAであるかどうかを判断し、個々の症状に合わせた治療計画を立てていきます。

5αリダクターゼを阻害する内服薬フィナステリドとデュタステリド

5αリダクターゼとは、男性ホルモンのテストステロンと結びつき、AGAの直接的な原因物質であるDHT（ジヒドロテストステロン）へと変換させる酵素のことです。

フィナステリド（商品名:プロペシア）は、5αリダクターゼのうちⅡ型のみを阻害します。

一方、デュタステリド（商品名:ザガーロ）は、Ⅰ型とⅡ型の両方を阻害するため、フィナステリドよりも強力にDHTの生成を抑制する効果が期待されます。

薬剤名	商品名例	阻害する5αリダクターゼの種類	特徴
フィナステリド	プロペシア	Ⅱ型	AGA治療で広く用いられる標準的な薬剤
デュタステリド	ザガーロ	Ⅰ型・Ⅱ型	より強力なDHT抑制効果が期待される

どちらの薬剤が適しているかは、AGAの進行状況や体質によって異なります。

医師とよく相談した上で、処方してもらうようにしてください。

血行を促進する外用薬ミノキシジル

ミノキシジルは、頭皮の血管を拡張させて血行を促進し、髪の成長に必要な栄養素を毛根へ届けやすくする外用薬です。

もともとは高血圧の治療薬として開発されましたが、副作用として多毛が見られたことから発毛剤として転用されました。

毛根にある毛母細胞を直接活性化させることで、ヘアサイクルの成長期を延長させ、発毛を促す効果が認められています。

商品名例	主な特徴
リアップシリーズ	日本で最初に承認されたミノキシジル配合の発毛剤
スカルプD メディカルミノキ5	ミノキシジル濃度5%の男性用発毛剤

飲み薬と併用できるの？

はい、内服薬と併用することで、守り（抜け毛予防）と攻め（発毛促進）の両方からアプローチできます

フィナステリドなどの内服薬が抜け毛の原因を抑える「守り」の治療であるのに対し、ミノキシジルは発毛を促す「攻め」の治療と言えます。

両者を併用することで、より効果的な薄毛改善が期待できます。

治療効果を実感するまでの期間の目安

AGA治療は、乱れてしまったヘアサイクルを正常な状態に戻すための時間が必要です。

そのため、治療を開始してから効果を実感するまでには一定の期間がかかります。

多くの場合、抜け毛が減ってきたなどの初期変化を感じ始めるまでに最低でも3ヶ月、他人からもわかるような見た目の変化が現れるまでには約6ヶ月から1年程度を要します。

治療法	効果実感までの目安（初期変化）	見た目の変化までの目安
内服薬（フィナステリド/デュタステリド）	3ヶ月～6ヶ月	6ヶ月～1年
外用薬（ミノキシジル）	4ヶ月～6ヶ月	6ヶ月以降

治療効果には個人差があるため、焦らずに根気よく治療を続けることが何よりも大切です。

自己判断で治療を中断せず、定期的に医師の診察を受けながら経過を見ていきましょう。